脱毛を意識したのは小学校の高学年の頃でした。自分自身、そんなにムダ毛が多いわけでもなくワキのムダ毛もまだ産毛ほどで処理しなくても気にならない程度でした。と言うよりも、自己処理の仕方すらわからなかったのです。でも修学旅行に起こった出来事で、脱毛の必要性を痛切に感じてしまったのです。それは目的地に向かう電車の中でした。小さな学校ですから、修学旅行とは言え一般の乗客と同じ車両でした。私が座った席の斜め向かいに、すてきなワンピースを着たきれいなお姉さんの姿がありました。20代前半くらいでした。まだ初夏には早い時期だったのにそのお姉さんは半袖で、細くてきれいな腕がむき出しになっていました。自分の住んでいる地域では季節を先取りするようなファッションの人など見たことがなく、何となく都会の匂いがしてドキドキしました。

それは私だけではなく、同級生の男子もチラチラとお姉さんを伺っているのが感じられました。下車する駅に着き、私が電車を降りようとしてそのお姉さんの横を通った時でした。お姉さんは長くてきれいな髪をかき上げ立ち上がったのです。そこに見たものはとてもショッキングな光景でした。何とお姉さんの半袖から、太くて黒々したワキ毛がワサワサと覗いていたのです。見てはいけないものを見たと感じた私は、すぐに目をそらし、前にいた同級生を押すようにして電車を降りました。その後はずっと気分が沈み、見学していても心ここにあらずの状態でした。ほんの短時間でしたが、私はあのお姉さんに憧れを抱きファンになったような気がしていたのです。テレビや雑誌で見るアイドルに憧れるような気持ちでした。ところが、私の知っているアイドルがノースリーブや水着になってもワキがツルツルなのと違い、あのお姉さんには男の人みたいに毛が生えていたのです。若くてきれいなお姉さんでも、ワキにムダ毛が生えるのだと知った出来事でした。それからは、自分のワキが猛烈に気になりはじめ、産毛であろうとも許せなくなったのです。しかし脱毛の仕方など恥ずかしくて母親にも聞けず、私はこっそり父親のT字型のカミソリを使い処理していたのです。

その当時のカミソリはちょっと手を滑らすと皮膚が切れてしまうことがあり何度も流血しましたが、とにかく毛という毛をワキから無くしてしまう事に必死で痛みも気になりませんでした。その後、中学に上がってからは運動部に所属している同級生に聞いて、安全な脱毛法を聞くことができたのでもう流血することはありませんでしたが、異常な程にワキのムダ毛を気にすることは変わりなく、毛抜きや脱毛クリームなどで頻繁に脱毛を試みました。そのせいなのか、今私のワキの下はほとんどムダ毛が無いのです。私のしつこさに毛根が衰えたのかは分かりませんが、それでもチェックは欠かせない、ワキのムダ毛なのでした。